あなたがいればな

 
とよく想像する。
おかしなもので たいていそういう瞬間というのは
自分のうちで一人のんびりしてる時でなくてパブリックな場だったり。
 
日差しの射す列車の座席で
オフィスの机で
友人達に囲まれて飲んで談笑してて
観劇してる最中に
 
 
 もし本当に あの人がこの場にいたら。
 私は思わず 自分を抑えられず 寄り添ってしまうだろう。
 吸い寄せられるように。
 あなたの服の袖をつかみ
 視線を欲して
 静かに
 そっと
 あなたの存在を 空気ごと吸いこむだろう
 
 人前も気にせず唇を求めてしまうかもしれない
 たしなみを忘れたいわけではないのだけど
 そうせずには・・いられないのだ。
 
 
 
けれど あなたはいなくて。
私はふと妄想から立ち戻る。
無意識をさまよっていたおかげで会話を逃したことを恥じたりもする。
 
 
 
 
 
 
「あなたは恋愛について少し単純過ぎる考えをもっているわ。
それは独立した感覚の連続ではないのよ。
それは違ったものなのよ。
 
そこには絶え間ない愛情、やさしさ、ある人の不在を強く感じること。
あなたにはまだ理解できないいろいろなこと・・・」
           "Bonjour Tristesse" Francoise Sagan
 
 
 
 
 
ああ、似たようなことを誰かが言ってた気がするな。
 
そして似たようなことを、みな考えるんだな。
 
 
 
きっと 今この瞬間に この空の下で
淋しさを耐え 恋しさに偲んでいるのは  ひとりだけじゃない。
 

 

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